江戸時代以前に建てられた「現存12天守」完全ガイド
日本には多くの城が点在し、観光客を魅了しています。
しかし、私たちが目にする天守の多くは、火災や廃城令で失われ、近代に再建されたものです。
そんな中、江戸時代以前に建てられた「本物」の天守が、日本にわずか12カ所だけ残っています。
これが「現存12天守」と呼ばれる貴重な文化遺産です。
400年以上の時を超え、武士の時代の息吹と建築技術を今に伝えています。
この記事では、12の「本物の城」の魅力と個性を解説します。

1. 北国の春を彩る「弘前城」
弘前城は青森県弘前市の城です。
東北で唯一、江戸時代以前の天守が残る貴重な場所です。
城跡の弘前公園は、日本有数の桜の名所としても有名で、春は約2,600本の桜が咲き誇ります。
元は五層の天守でしたが、1627年に落雷で焼失しました。
現在の天守は1810年に隅櫓を改築して再建された三層三階建てです。
装飾は少ないですが、実戦的な工夫が特徴です。
弘前城 公式サイト

2. 北アルプスを背負う漆黒の国宝「松本城」
松本城は、長野県松本市にある国宝五城の一つです。
漆黒の壁面から、別名「烏城」とも呼ばれます。
現存12天守で唯一の「平城」であることが最大の特徴です。
平地にあるため、防御として三重の堀が巡らされています。
戦国時代末期に建てられた天守は実戦的な造りをしています。
壁には「鉄砲狭間」や「矢狭間」が数多く設けられています。
平和な江戸時代に増築された「月見櫓」も見所です。
この櫓は月を愛でるために造られた、優雅な空間です。
戦いの黒い天守と、風流な月見櫓の共存が松本城の魅力です。
北アルプスを背景にしたその姿は、訪れる人々を圧倒します。
松本城 公式サイト

3. 木曽川を見下ろす「犬山城」
犬山城は愛知県犬山市に位置する城です。
天守は国宝五城の一つで、現存12天守で最も古いという説もあります。
1537年に織田信長の叔父、織田信康によって築かれたとされます。
木曽川のほとりの丘の上に建てられ、その姿は優美です。
江戸時代は尾張徳川家の家臣、成瀬氏が城主を務めました。
驚くべきことに、この城は2004年まで成瀬家が所有する「個人所有」の城でした。
日本で最後まで個人が所有していた城として珍しい例です。
天守内部は、当時のままの急な階段や低い天井が迎えてくれます。
最上階は「廻縁」と呼ばれるベランダのような回廊で囲まれています。
この廻縁は実際に外に出ることができ、そこから眺める景色は絶景です。
眼下には木曽川、濃尾平野や遠くの山々まで360度のパノラマが楽しめます。
犬山城 公式サイト

4. 琵琶湖を望む「彦根城」
彦根城は、滋賀県彦根市、琵琶湖のほとりに立つ城です。
姫路城などと共に、国宝五城の一つに数えられる名城です。
徳川家康の重臣・井伊直政の子らによって築かれました。
天守は三層三階と小ぶりながら、デザインは非常に凝っています。
屋根の装飾「破風」が多彩で、見る角度により異なる表情を見せます。
多様な様式の破風が巧みに組まれ、優美な印象を与えます。
天守内部には「隠し部屋」なども残されています。
天守への道のりも特徴的で、山の斜面を登る「登り石垣」は、日本でも珍しいものです。
この地には徳川幕府の政治的中心地であった歴史と風格が息づいています。
彦根城 公式サイト

5. 霧に包まれる伝説を持つ「丸岡城」
丸岡城は、福井県坂井市にある城です。
「霞ヶ城」という美しい別名を持っています。
合戦の際、霞に包まれ敵から隠れたという伝説に由来します。
現存12天守で最古とも言われ、古風で質実剛健な雰囲気が特徴です。
天守は二層三階建てで、その屋根に大きな特徴があります。
瓦には一部、福井産の「笏谷石」で作られた「石瓦」が使われています。
これは、雪深い北陸の気候に耐え、瓦が割れるのを防ぐ工夫でした。
その重さは、一般的な瓦の数倍にもなると言われます。 天守の内部も、戦国の荒々しさを今に伝えています。
特に有名なのが、二階から三階へと登る階段です。
傾斜は約65度と日本一とも言われる急さで、登るにはロープが必要です。
1948年の福井地震で一度倒壊しましたが、残った部材で修復されました。
そうした苦難の歴史を乗り越えてきたことも、丸岡城の大きな魅力です。
丸岡城 参考サイト

6. 世界が認めた白亜の傑作「姫路城」
姫路城は兵庫県姫路市にある、日本で最も有名な城の一つです。
1993年に日本初のユネスコ世界文化遺産に登録されました。
白く優美な姿から「白鷺城」の愛称で親しまれています。
現在の城郭は1609年に池田輝政により築かれました。
壁面の漆喰は見た目だけでなく、防火性や耐久性にも優れています。
姫路城は400年以上、戦争や災害を奇跡的に免れてきました。
「不戦・不焼の城」とも呼ばれ、江戸時代の姿を完璧に伝えます。
防御の仕掛けも圧巻です。
天守への道は迷路のように入り組んでいます。
門や無数の「狭間」が侵入者を阻みます。
天守内部は地下1階、地上6階建てです。
日本の城郭建築の最高傑作であり、必見の場所です。
姫路城 公式サイト

7. 雲海をまとう「備中松山城」
備中松山城は、岡山県高梁市にある城です。
この城は現存12天守の中で唯一、山の頂上に天守が築かれた「山城」です。
標高430mの臥牛山山頂にあり、日本で最も高い場所に天守が残る城として知られます。
秋から冬の早朝、気象条件が揃うと、麓の高梁盆地に濃い霧が発生します。
その霧が雲海のように広がり、城が浮かんでいるかのような幻想的な光景を見ることができます。
このため「天空の山城」とも呼ばれ、多くの写真家や観光客を魅了しています。
現在の天守は1683年に、当時の城主であった水谷勝宗によって修築されたものです。
天守自体は二層二階と小規模ですが、山頂の険しい地形にそびえ立つ姿は威厳に満ちています。
山頂では、天然の岩盤を利用した「野面積み」の石垣など、自然と一体化した防御の工夫が見られます。
備中松山城 公式サイト

8. 宍道湖を睨む「松江城」
松江城は、島根県松江市にある城です。
2015年、現存12天守で5番目の国宝に指定されました。
宍道湖のほとりに建ち、屋根の反りが千鳥に似ているため「千鳥城」と呼ばれます。
天守は外観五層、内部六階建てで、姫路城に次ぐ2番目の規模です。
姫路城の白とは対照的に、黒基調の重厚で実戦的なデザインが特徴です。
築城したのは、戦国から江戸初期の武将、堀尾吉晴です。
天守内部は、当時の柱や梁がむき出しで迫力があります。
地階には籠城に備えた大きな井戸が残っています。
最上階は「望楼」と呼ばれる見張り台で、柱がない開放的な空間です。 松江市街や宍道湖の景色を360度見渡せます。
堀を小舟で巡る「堀川めぐり」も人気で、水上から城を眺められます。
松江城 公式サイト

9. 日本一の高石垣に守られた「丸亀城」
丸亀城は、香川県丸亀市にある城です。
「石垣の名城」という言葉がふさわしい城です。
天守は現存12天守で最も小規模な三層三階建てです。
しかし、その小さな天守を支える石垣が圧巻なのです。
内堀から天守までの高さは、実に約60メートルにも達します。
これは「日本一高い石垣」とも称されています。
石垣は「扇の勾配」と呼ばれる美しい曲線を描いています。
この曲線は、敵が石垣を登ることを防ぐ高度な技術の結晶でした。
江戸時代初期に、生駒氏と山崎氏によって築かれました。
天守からは、丸亀市街や瀬戸内海の島々まで見渡すことができます。
天守だけでなく、石垣の美しさと迫力をぜひ体感してください。
丸亀城 公式サイト

10. 天守と御殿が揃って残る「高知城」
高知城は、高知県高知市の中心部に位置する城です。
この城は、中心部である「本丸」の建物群が、ほぼ江戸時代のまま残っています。
日本の城の多くは、天守だけが残っているか、あるいは再建されています。
しかし高知城では、天守、城主が暮らした「御殿」、「追手門」、櫓など、本丸の主要な建物がすべて現存しています。
江戸時代の本丸がこれほど完璧に残るのは、全国で高知城だけです。
築城を開始したのは、初代土佐藩主の山内一豊です。
現在の天守は1747年の大火で焼失後、1753年に再建されたものです。
最上階には、景色を楽しむための廻縁が設けられています。
正面玄関の追手門と天守を、一枚の写真に収められる点でも有名です。
高知城 公式サイト

11. 宇和海を臨む「宇和島城」
宇和島城は、愛媛県宇和島市にある城です。
現存12天守の一つで、丸亀城などと並び比較的小規模です。
原型を近世城郭として整備したのは、築城名手の藤堂高虎です。
彼は海に面した丘陵地に、巧みな縄張りで城を築きました。
現在の天守は、伊達政宗の長男・伊達秀宗によって1666年頃に建て替えられたものです。
他の天守と比べ、破風などの装飾が少なく、シンプルで落ち着いたデザインが特徴です。
これは戦乱が終わり、城が砦より権威の象徴となったことを示していると言われます。
天守内部は畳敷きの部屋など、武士の暮らしを感じさせる落ち着いた空間です。
宇和島城 観光ガイド

12. 瀬戸内を眼下に見下ろす「伊予松山城」
伊予松山城は愛媛県松山市、標高132mの勝山山頂にあります。
築城者は、賤ヶ岳の七本槍の一人、加藤嘉明です。
関ヶ原の戦いの後、20年以上の歳月をかけて築かれました。
姫路城と同じ「連立式天守」で、高い防御力を誇ります。
現在の天守は1784年の焼失後、1854年に再建されたものです。
これは現存12天守の中で最も新しい建築です。
「日本最後の本格的城郭建築」の一つとされ、歴史的価値が高いです。
山頂の本丸へはロープウェイやリフトで気軽に登れます。
城内には多くの門や櫓が現存し、天守までの道のりも楽しめます。
天守最上階からは松山市街、瀬戸内海の島々、四国の山並みまで一望できます。
城全体が城山公園として整備され、松山市民のシンボルです。
伊予松山城 公式サイト

13. まとめ
今回は建てられた当時のままの城、「現存12天守」をご紹介しました。
日本にわずか12カ所しか残っていないこれらの貴重な文化遺産は、それぞれが異なる歴史と個性を持ち、400年以上の時を超えた武士の時代の息吹を今に伝えています。
興味が湧いた方は、ぜひ現地を訪れてみてください。
写真や文字だけでは分からない本物の迫力や歴史の重みを五感で味わうことこそ、歴史探訪の醍醐味です。
私たちについて
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